陶芸に関する悪戦苦陶の話
小石原焼(2)「福島善三窯」(第百三十五話)


平成15年に日本橋三越百貨店の展示場で、第五十回 日本伝統工芸展の日本工芸会総裁賞作品 鉄釉掛分条文鉢(てつゆうかけわけじょうもんばち)を観た。
鉄釉掛分条文鉢は、形が逆円錐型の大鉢で中が渋い黄緑(Dark olive green)で縁に小さな飛びカンナが施されている。
ボクは、形と色に惹きつけられた。
作家は、福岡県朝倉郡小石原の福島善三とあった。
ボクの知っている小石原焼とは、随分 違うイメージの作品に驚いた。
この時 機会があったら小石原焼を訪ねようと思った。

今回 小石原に行き、真っ先に福島善三窯を訪ねた。国道沿いにある福島善三窯は、広い駐車場があり、瀟洒な建物で直ぐに見つかった。ギャラリーは、広くて作品がゆったりと展示されていた。

福島善三の作品は、フォルム 色 どれも品が良い。鉄釉掛分条文鉢をあらためて見ると口縁部に比べて極端に高台部が小さく観る人に緊張感を与える。

日本伝統工芸展は、陶芸 染物 漆芸 金工 木竹工 人形 その他(硝子 七宝 硯等)の七部会からなる。
多くのプロ達は、日本伝統工芸展の入選を目指して制作活動をしている。

第35回日本伝統工芸展 入選 以降15回入選と数々の展示会での入選は、福島善三の実力を物語っている。直接作品を観てその実力を改めて実感した。

ギャラリーで福島善三さんから直接話を聞くことができた。

福島善三さんは、ボクより十歳年下だ。歳よりも若々しく都会的でクレバーな感じの作家だった。

日本伝統工芸展へ出展する作品は、プロの陶芸家が一年かけて出展作品を制作すると聞いていた。

そのことを福島さんに訊いた。
福島さんは、釉薬などの開発に数年かかるので構想から出来上がりまで一年でできるものでない数年かけて製作すると言う。

ギャラリーにあったパンフレットに次のキャッチコピーが記されていた。
小石原焼の長い歴史のなかでこれまでに伝えられてきた技術 技法を伝承しつつ、それをいかに自分自身が噛み砕きオリジナリティのある新しいやきものを創りだしていくかこれが自分にとっての「伝統を受け継ぐ」ということだ。
これまでにも赤や黒、緑など、工夫の中に独自の色を創り出した。これからも小石原で採出される鉄分の多い陶土を用いて、鉄分の多いことがより相乗効果を生むような釉薬の調合など、いろいろな試みを繰り返しつつ、今日の生活に即した新しいものを創ることができるよう心がけている。

福島善三氏は、日本工芸総裁賞の受賞や伝統に気負うことなく、静かに物つくりの心構えを語ってくれた。


福島善三






2008⁄07⁄09(Wed) 05:51   未分類 | Comment(2) | Trackback(0) | ↑Top


Comment


福島さんの作品は・・私も大好きで
沢山勉強させていただいてます
フォルムのシャープさと美しさ
釉の深さと品のよさ
どれをとっても一級品ですね
日本陶芸展・・伝統工芸展で
ご一緒できるたびに繰り返し拝見してます

小石原は私も行ったことがありますが
突出した作家だと思っています
素晴らしい邂逅でしたね
きっと良い刺激を得たことでしょう

2008/07/10 09:10URL | touseigama696[ 編集]


桃青窯 様

コメントをありがとうございます。

今回 直接お会いして良かったと思います。
素晴らしい作品が出来る厳しさを改めて知りました。

             どうしょう花
2008/07/10 20:25URL | 桃青窯 様[ 編集]

Post a Comment












管理者にだけ表示を許可する


Trackback
Trackback URL


| HOME |

プロフィール

Author:どうしょう花
サラリーマン生活が残り一年になりました。
宮崎での単身赴任時代に始めた陶芸が十年になります。
昨年 年末に窯を持ちプロとしての環境が整いました。
サラリーマン生活を悔いのないように全力でラストランしたいと思います。
週末は、陶工への道にむかい励みます。
還暦前の老人が悪戦苦闘している日々を「どうしょう花」がエッセイにして毎週水曜日に掲載致します



最近のトラックバック

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

Powered By FC2ブログ

↑Top



Copyright © 2008 窓際の陶芸家. All Rights Reserved.