2016/07/11

TITLE:「 萬燈(まんとう) 

 今年の夏は例年より早くやって来て、蝉が慌てて鳴き始めた。一斉に元気よく鳴くのでなく、何となくためらった声で鳴いているので一生懸命仕事をしているサラリーマンは気づかないだろう。そんななか八坂神社の夏祭りの準備が始まった。

 八坂神社の萬燈は、神輿巡行の9番目の御借家、清玉園の駐車場で行われる。

萬燈は高さが3メーターほどある。緑、青、紫、赤、白、橙、黄の色紙の花で飾られた枝が20本ほど中心の棒に取り付けられた巨大な花笠だ。巨大な花笠づくりが例大祭の三日前の夜に行われた。ボクは例大祭の日、萬燈を持ち上げたくてこの作業に参加した。

 萬燈は全国の神社仏閣で火難、疫病退散、精霊退散などのためたくさんの行灯、提灯などに灯を燈して祭事を行うことをいう。八坂神社の萬燈はローソクを花にかえて巨大な花笠を振り回して行う。

 宮出しした神輿は八坂神社神輿会を中心に近隣の神輿会が加勢して担がれる。

 ボクの地域デビューは63歳からである。すでに67歳の老人なのだがまだ4年目の新人である。神輿を担ぎながら周りを見ると若者が多い。先輩の若者たちに刺激をもらって神輿を担ぎ清玉園の駐車にやってきた。神輿会の中心メンバーのアキくんが見本の演技を披露した。30kgはある巨大花笠を軽々と持ち上げて上下に揺さぶりながら廻るのである。模範演技の後、二人目にボクは申し込んだ。仲間のターさんが心配して助っ人に入ってくれた。右手を下の持ち手左手を上の持ち手に持ち上げた。持ち上げて廻ろうとすると巨大な花笠が傾き始めた。ターさんの手を借りて少しだけ廻った。

観客から拍手はなかったがボクは地域デビューを果たした。38年間のサラリーマン時代、各地で輪の外から祭りを見てきた。定年後、輪の中にいる自分を誇らしく思った。

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