陶芸に関する悪戦苦陶の話
陶芸道場(第二十七話)


二重・三重に包んだ土瓶をぶら下げ陶磁器会館などを観て廻り、ブラブラ歩いていたら陶芸道場の看板が眼に入った。

広い工房にロクロが五台並んでいる。左奥には大きなガス窯と電気窯が二基据付けられている。その横には大・中・小の土練機が三台並んでいる。今まで見たことの無いセメンのミキサーのような機械も据えてある。その横にこちらも始めてみる土をプレスする機械がある。ミキサーは土をミルする機械だそうだ。ガス窯の中には棚代わりに作品の乗せられた手板が数枚重ねられている。

伝統工芸士 近藤義和氏の工房だ。

近藤先生は急須を専門に修行をされた陶芸家で伝統工芸士の称号を持つ。がっしりした体躯の持ち主でいかにもロクロの達人であることが察しられた。

立川市で陶芸の修行中であることを告げ、お話を伺うことができた。
急須を作るコツなど高等技術から機械の使い方、シッタの轆轤盤上での合わせ方などの基本技術まで一見客のボクの質問に丁寧に一つ一つ応えて頂いた。
基本的なことで恥ずかしいがシッタの合わせ方で苦労していると話すとロクロに座り実践でコツを伝授して頂いた。

ボクは陶芸教室でなく陶芸道場を標榜している理由を聞いた。

教室は生徒に気を使いながら運営しなくてはならないが道場は初心者から心得のある人までやってくる。遠慮なく指導が出来るので気苦労が少ないそうだ。

陶芸教室は習い事の延長で仲間作りが優先順位の上位に来る。先生の手が入っても(先生が手伝う)出来上がった作品が全てで自分の作品として満足する。全ての人がそうではないが技術伝達をしようした時、充分に伝わらない。
近藤先生は伝統技術を伝達できなくても、技術のの価値を理解して頂く人達を育てたいようだ。

道場を標榜している意味が分かりかけた頃、常滑焼協同組合で製作したビデオを三本出して来て貸して頂いた。

第一巻 常滑焼伝統技法 茶器編 ろくろ 製造工程全般
                ろくろ 面取 指頭紋

第二巻 常滑焼伝統技法 茶器編 ろくろ 練込 近藤和義
                紐作り

第三巻 常滑焼伝統技法 茶器編 細字・のた絵・彫り・カット                   
                貝焼・飛びカンナ

何れも門外不出の伝統技法が収録されたビデオで陶芸家にとって聖書ともいえる逸品である。 

少ない時間だったがボクの陶芸に対する熱意が先生に伝わり、貸して頂けたと思う。

先生の製作した朱泥土の急須を購入して道場を後にした。

急須は胴回り35mm・高さ40mm・把手(とって)20mmの超ミニサイズ。
今 自宅のぐい飲みを並べた棚に一番小さいが一番輝いて座っている。


20060616222043.jpg







2006⁄06⁄16(Fri) 22:21   陶芸 | Comment(1) | Trackback(0) | ↑Top


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2006/06/29 23:00URL | ふーこ[ 編集]

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プロフィール

Author:どうしょう花
サラリーマン生活が残り一年になりました。
宮崎での単身赴任時代に始めた陶芸が十年になります。
昨年 年末に窯を持ちプロとしての環境が整いました。
サラリーマン生活を悔いのないように全力でラストランしたいと思います。
週末は、陶工への道にむかい励みます。
還暦前の老人が悪戦苦闘している日々を「どうしょう花」がエッセイにして毎週水曜日に掲載致します



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